連載28.  ある高校生の「読書記録」より。(高校1年生)1966年6月30日。

図書館から借りてきた本は、ダンテ『神曲 地獄篇』と高見順『死の淵より』の2冊。

図書館で読んだ『中原中也詩集』より、

「まことに人生、一瞬の夢
ゴム風船の、美しきかな」

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6月30日 反日共系各派150名、ハノイ・ハイフォン爆撃緊急抗議行動、米大使館にデモ

同30日 都立大、阿部行蔵教授の復職を要求して全学抗議集会、800名参加

──ベルリン自由大学で学籍登録年限制限に反対闘争起こる

 

 

連載27.  ある高校生の「読書記録」より。(高校1年生)1966年6月24日。

テスト、テスト、テスト、テスト。

 

図書館からバルザック『谷間のゆり』を借りてくる。

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6月24日 青医連・医学連、インターン制廃止・無給医局員の有給化等を要求して全国病院統一行動、13大学4000名が診療拒否・集会等を展開

同24日 青医連・医学連統一行動、北大・新潟大・群馬大・東京医歯大・横浜市大・名大・大阪大・長崎大の各医学部スト、京大・九大・岡山大実質スト、東大・信州大部分スト

 

連載26.  ある高校生の「読書記録」より。(高校1年生)1966年6月23日。

図書館では、伊藤整の『若き詩人の肖像』を読んだ。

「根見子」と2人で海岸へ散歩に行くところまで。

詩もいいなあ。
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6月23日 都学連(三派系)主催・エンプラ寄港阻止・小選挙制粉砕全都決起集会〔清水公園〕に600名参加、日比谷公園までデモ・1名逮捕

連載25.  ある高校生の「読書記録」より。(高校1年生)1966年6月21日。

『倫理学』を図書館から借りてきた。

 

明日は数学と国語のテストがあるというのに。

 

図書館で、萩原朔太郎島崎藤村の詩集を読んでいた。

藤村の詩──

「君ゆゑにわれは休まず

君ゆゑにわれは仆れず」

藤村の精進よ。

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6月21日 京大教養・教育・文学部、学生の不当逮捕に抗議してスト
同21日 中村文相、国立大学長会議で能研テストへの協力・学生運動への留意を要望

連載24.  ある高校生の「読書記録」より。(高校1年生)1966年6月20日。

ゲーテ格言集』を読む。

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6月20日 教育大文学部、評議会の筑波移転決定に抗議してスト(21日教育学部スト)
同日 早大一文学部投票(21日スト中止決定、22日バリケード撤去、200名で学内デモ)

 

連載23.  ある高校生の「読書記録」より。(高校1年生)1966年6月16日。

図書館から高橋和巳の『憂鬱なる党派』と久野収『戦後日本の思想』』を借りた。

『憂鬱なる党派』はいい。その中の一節、

「明日こそは、明日こそはと、決断を遅らせ、なにか理由づけては違った方向へ一時の慰めを得にゆく愚劣な人は皆、そのようにして自分の生涯をすり減らす。」

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6月16日 大分大教育学部学生大会、完全就職を要求し500名で県庁までデモ

 

 

連載22.  ある高校生の「読書記録」より。(高校1年生)1966年6月15日。

図書館で『三太郎の日記』『侏儒の言葉』を拾い読みした。

「春の苑くれなゐ匂ふ桃の花下照る道に出で立つ少女」──大伴家持

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6月15日 6・15記念集会実行委主催・安保6・15記念政治集会〔九段会館〕、都学連(三派系)等の学生、労働者2000名参加、12月全学連再建等のスローガン採択